1、基調講演寺島実郎氏「時代との対話:コロナ後の世界とファシリティマネジメント」
JFMAフォーラム2021が17日から始まった。
冒頭、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)の山田匡通会長は、新型コロナウィルスが、人間同士や取り巻く環境との関わりを再認識させたと指摘。「17の目標を持つSDGs(持続可能な開発目標)と、新型コロナはある意味で表裏一体。フォーラムを通じて、健全な維持と発展していくためにファシリティがどう貢献できるかを考えていきたい」とあいさつした。
ことしのテーマは「ニューノーマル時代の経営とFMー新サスティナブル社会のまち・建築・ワークプレイス」。新型コロナウィルス対策として、初のWeb配信となった。
17日から2週間にわたって開催。
第1週は、19日まで、基調講演や特別公演、JFMA賞記念講演、SDGsなどのシンポジウムをライブ配信。
また、22日からの第2週は、26日までの5日間に、公共、リスク、ワークプレイス、戦略、BIM、インフラ、ヘルスケア、こころ
とからだのウェルビーイングなどの分野で、企画講演や調査研究部会報告がビデオ・オン・デマンド配信される。
キーワードは「医療と防災」
DXと関連させた産業成長を
初日、基調講演の講師は、日本総合研究所会長で多摩大学学長の寺島実郎氏。
「時代との対話:コロナ後の世界とファシリティマネジメント」をテーマに、時代認識の重要性を訴え、今後、日本が取るべきの方向性を提言した。
「日本を除くアジアが成長してきた、アジア・ダイナニズムを取り込むことが重要」とし、デジタル資本主義のDX(デジタルトランスフォーメーション)の中で、「食と農」「医療と防災」に方向転換すべきだと訴えた。
寺島氏は、的確な時代認識をすることが経営者にとって重要であるとし、日本のGDPが、世界シェアの中で埋没してきたと指摘。2000年と2018年を比較し、日本が14%から6%に減る一方、日本を除くアジア諸国は7%から23%に成長。アジア・ダイナニズムと呼ばれるこの状況をどう取り込んでいくかが重要だとした。
またこれまでの産業資本主義から、冷戦の終焉後に起きた金融技術革命による金融資本主義、さらにIT革命によるデジタル資本主義(DX)の3つの資本主義の相関関係が変化。デジタル資本主義が金融資本主義をも飲み込む転換期にあるとした。
そして、新たな産業の創生を訴え、産業資本主義で発展してきた日本は、今後はデジタル資本主義のDXの中で「食と農」や「医療と防災」に方向転換し、「FMのキーワードとしても防災力を高める産業とし、工業国の限界を突き破るべきだ」と述べた。
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