いま、介護施設は ケアマネMさん体験談 第1部グループホーム上
「いま、介護施設は」ケアマネジャーMさん体験談
第1部グループホーム・上
スポットに依存の職員確保
介護施設の日常業務は、どうなっているのか?
介護施設にはいろいろあるが、施設の種類によって働く人の業務内容は違うのだろうか。
先日、介護老人保健施設で介護支援専門員(ケアマネジャー)として働くMさんから、介護職の日常について、話を伺う機会があった。彼は、ゼネコンやハウスメーカーで現場施工管理者に就いたり、建設専門紙の編集記者をしていた経歴を持つ。その彼が、休暇を利用し短期の派遣職員として働いた体験談を連載で紹介する。
(聞き手・武内=ColumnFM主宰者)
「介護施設って、いろいろありますよね」と、Mさんは開口一番、多種多様な施設名を挙げる。
介護付きをはじめとする各種有料老人ホーム、サ高住と呼ばれるサービス付高齢者向け住宅、グループホーム、特別養護老人ホームは特養、介護老人保健施設は老健施設、介護療養型医療施設は療養病床、経費老人ホームのケアハウス、シルバーハウジングの高齢者用住宅…
「自分が働いた施設はわかるのですが、ほかは想像する程度。この業界に働く者として、はたしてこれで良いのだろうか」と疑問を感じたという。
これまでも時間を見つけてはいろんな施設の見学会に参加してきたという。だが、30分程度見学しては、どこでも同じような説明を責任者から受ける。それじゃ表面的にしか、わからない。
そこで、思った。
「どうせなら実際に働いた方が手っ取り早いのではないか」
調べてみると、1日単位の短期派遣社員募集がある。早速、応募してグループホームを紹介してもらった。
最初のチャレンジの仕事日数は2日間。
8月のある日。Mさんは、市内にある、利用者が27名の3ユニットの認知症高齢者グループホームに出向した。
受付で挨拶し、その日の担当フロアへ。
フロアリーダーに会釈をするも、挨拶もほどほどに「最初はトイレ掃除をして下さい」と、バケツと雑巾、ブラシ、洗剤を手渡された。
せっせとトイレ掃除をしながらフロアをみると、利用者9名に対して職員は日勤者2名。1人は朝から昼食の準備、一方、フロアリーダーは黙々と書類とにらめっこ状態。利用者は3名が食堂、残りは各自の部屋で過ごしているようだった。
トイレ掃除の次は、フロア全体と利用者の部屋の掃除。掃除機とモップ、雑巾を持ちながら汗だくでフロア内を動き回った。気がつけば、もうお昼。午前中は掃除で終わってしまったという。
午後は何をするのか尋ねると、「今日は利用者3名の入浴日。着替えを準備して、バイタルを図って入浴させて下さい」と、体温計と血圧計を手渡された。着替えは各部屋に行って適当に選んでとのことだった。
入浴介助があるとは聞いていた。
「でも、初めて来た人に丸投げって、これが普通なのか。事故でも起こったらどうするつもりなのだろう。しかも、3人のうち2人は車椅子。介護度は」と、様々なことが頭をよぎったという。
入浴着に着替え、利用者のバイタルを測り、無事に全員の入浴を終えた。
一息つく暇もなく、今度は入浴した利用者の服の洗濯が待っていた。
洗濯機が回っている間に浴室の掃除を終え、干してあった洗濯物を畳み、新たに洗濯物を干す。それを終えると、初日最後の作業は、夕食の盛り付け補助。
「ほぼ、利用者や職員と会話をすることもなく1日が終わってしまった」という。(続く)
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