2020年3月3日火曜日

適切な行動に切り替えを、と警告

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解がまとまった。全国の若者世代に対して人が集まる風通しが悪い場所を避け、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えるよう呼びかけている。また、発症者数が急速に増加している北海道について、積極的な対策を行うことで、感染拡大を急速に収束させることが可能だとし、半面、適切な行動に切り替えなければ北海道全体に感染者が拡大する恐れがあると警告している。



  国の新型コロナウイルス対策の専門家会議が2日、発表した。この一両日中に「北海道などのデータ」を分析、明らかになったことをまとめている。
 感染拡大の要因に1気がつかない症状の軽い人から、2屋内の閉鎖的空間など一定条件を満たす場所からーの2点を挙げた。
 若年層は感染しても症状が軽く、気がつかないうちに、感染を広げてしまったことが考えられ、結果的に多くの中高年層に感染が及んだとしている。
 重症化は、感染者のうち2割。普通の風邪症状が出て7日程度で急速に悪化し肺炎に至っており、一方でその半数が回復していることも明らかになった。
 特に北海道の状況として、次のように分析している。
 若年層が多い都市部に比べ、その他の圏域は高齢者が多く住む。
 都市部とその他の圏域との間で人の移動が多い。
 感染は中国からの旅行者から広がったと考えられ、感染者は北海道全域に点在し、人口比率では圧倒的に遠隔地で感染者の報告数が多い。
 このことから、若年層に症状が軽い人が多く、ほかの地域に移動することで道内の複数の地域に感染が拡大。感染した高齢者の中から症状が出たことが報告されたことで、感染拡大の状況がはじめて把握できたとしている。
 また対策として、今後1-2週間のうちに、のどの痛みだけ、咳や発熱だけなど、軽い風邪症状でも外出を控えること。規模の大小に関わらずライブハウスや立食パーティなど風通しの悪い空間で人と至近距離で会話する場所や、イベントにできるだけ行かないなどを求めている。
 さらに事業者に対してもテレワークへなど柔軟なワークスタイルの移行や出張の抑制を促している。

 見解では、症状の軽い人が重症化するリスクが高い人に感染を広めてしまう可能性があるとして、重症化リスクが低い全国の10-30代の若者世代に人が集まる風通しが悪い場所を避け、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えるよう呼びかけている。